医療法人の決算届
医療法人の決算届の書き方|提出時期・必要書類・注意点
医療法人を運営していると、毎年必ず提出しなければならないのが「決算届」です。
提出を忘れてしまうと行政指導の対象になることもありますので、正しい手順を押さえておきましょう。
この記事では、行政書士の立場から、医療法人の決算届の書き方・流れ・注意点をわかりやすく解説します。
◆ 決算届とは?
医療法人の「決算届」とは、毎事業年度の会計報告を都道府県に提出する手続きです。
医療法第52条の2に基づき、医療法人は決算終了後2か月以内に所轄庁へ書類を提出する義務があります。
📌 たとえば3月末決算の法人なら、提出期限は「5月末」まで。
遅れると、行政からの指導や監査対象になる場合もあります。
◆ 提出先と提出方法
・提出先: 医療法人の主たる事務所を管轄する都道府県
(例:大阪府なら「医療対策課」)
・提出方法: 郵送または持参(自治体によっては電子申請に対応している場合もあり)
◆ 決算届に必要な書類
都道府県によって細かな書式は異なりますが、基本的には次の書類を揃えます。
💡 ポイント: 医療法人は営利法人ではないため、「剰余金の分配」は禁止されています。
したがって、会計書類も「公益性」を意識した書き方が求められます。
◆ 書き方のコツ
1.会計基準は「医療法人会計基準」に沿って記載
→ 一般企業と異なり、医療収益や医薬品費など、独自の区分があります。
2.様式番号を確認する
→ 都道府県の公式サイトから最新の様式をダウンロードしてください。
古い様式は受理されないことも。
3.理事会議事録は日付・出席者を正確に
→ 決算承認日と提出日の整合性もチェックされます。
◆ よくある不備と注意点
・添付書類に代表印の押印漏れがある
・監査報告書の原本を忘れる
・収支報告と貸借対照表の数字が一致しない
・電子申請ではPDFのファイル名・容量制限に注意
✅ 行政書士に依頼することで、こうした形式面の不備を防ぎ、スムーズに提出が可能です。
◆ 提出後の流れ
提出後、所轄庁で内容確認が行われ、不備がなければ受理通知(または受領印付き控え)が返送されます。
内容に誤りがある場合は、追完(修正提出)を求められることもあります。
◆ まとめ
①提出期限・・・決算終了後2ヵ月以内
②提出先・・・所轄の都道府県(医療法人指導課など)
③必要書類・・・決算届出書、貸借対照表、損益計算書、議事録など
④注意点・・・会計基準の順守、印漏れ防止、理事会承認の記録
◆ 行政書士からひとこと
決算届は「形式的な提出書類」ではなく、医療法人の健全な経営を公的に示す大切な報告書です。
特に近年は、所轄庁による経営情報の公開制度も進んでおり、内容の正確性が重視されています。
書類作成に不安がある方は、医療法人手続きに詳しい行政書士にご相談ください。
弊所では決算届の経験もございますので、提出書類の確認から申請まで、確実にサポートいたします。
お気軽にお問い合わせください。
アーネスト行政書士事務所