日本政策金融公庫(医療機関向け)
日本政策金融公庫の融資審査を通過するために押さえておきたいポイント
こんにちは。今回は日本政策金融公庫の融資審査を通過するためのポイントについてお話しします。
クリニック開業や事業拡大の際、多くの方が日本政策金融公庫からの融資を検討されます。しかし「どうすれば審査に通りやすくなるのか」というご相談を数多くいただきます。今回は、実務経験を踏まえて、融資審査通過のコツをご紹介します。
1. 事業計画書が審査の要
融資審査において最も重要なのは、説得力のある事業計画書の作成です。
数値の根拠を明確にする
クリニック開業の場合、「月間○○人の患者さんを見込んでいます」という数字だけでは不十分です。診療圏分析、近隣の競合クリニックの状況、診療科目ごとの患者数予測、1日あたりの診療可能人数など、具体的な根拠を示すことが求められます。
売上予測についても、診療報酬点数、保険診療と自費診療の比率、平均的な診療単価などを積み上げて算出しましょう。「このくらいあればいいな」という希望的観測ではなく、客観的データに基づいた現実的な数字が評価されます。
返済計画は保守的に
開業初期は患者さんの獲得に時間がかかるものです。初月から順調に患者さんが集まるという楽観的な計画ではなく、立ち上がり期間を考慮した保守的な収支予測を立てることをお勧めします。その上で、無理のない返済計画を示すことが信頼につながります。
2. 自己資金の準備状況を示す
一般的に、総投資額の30%程度の自己資金があることが望ましいとされています。
ここで注意すべきは、単に「預金残高がある」だけでは不十分という点です。通帳のコピーを提出することになりますが、そこで見られるのは「計画的に貯蓄してきた履歴」です。急に大金が振り込まれているようなケースでは、その出所について説明を求められます。
親族からの援助がある場合は、贈与契約書を作成しておくなど、資金の流れを明確にしておくことが大切です。
3. 経営者としての信用力
医師の方であれば、臨床経験年数や専門性が評価のポイントになります。また、個人の信用情報も確認されます。クレジットカードやローンの延滞履歴などがあると、審査に大きく影響しますので、普段から支払いは遅れないよう注意が必要です。
4. 面談で熱意と理解度を伝える
書類審査を通過すると、担当者との面談があります。ここでは、事業計画書に書かれた内容を自分の言葉で説明できることが重要です。
「なぜこの地域でクリニックを開業するのか」「競合との差別化をどう図るのか」「想定されるリスクにどう対応するのか」といった質問に、明確に答えられるよう準備しておきましょう。
分からないことや不明点があれば、その場で無理に答えようとせず、「確認して後日お答えします」と正直に伝える姿勢も評価されます。
5. 必要書類は漏れなく準備
創業計画書、企業概要書、資金繰り表、設備投資の見積書など、求められる書類を漏れなく揃えることは基本中の基本です。医療機関の開業であれば、保健所への開設届や保険医療機関指定申請の準備状況も確認されることがあります。
まとめ
日本政策金融公庫の融資審査は、事業の実現可能性と返済能力を総合的に判断するものです。「借りられればラッキー」ではなく、しっかりとした事業計画と準備があってこそ、融資を受けることができます。
当事務所では、クリニック開業に伴う融資サポートも行っております。事業計画書の作成アドバイスから、必要書類の準備、面談対策まで、トータルでサポートいたします。融資についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。